2014年7月6日日曜日

『刀語 5』

虚刀流七代目当主、鑢七花と、尾張幕府直轄預奉所戦軍総監督、奇策士とがめの刀集めの物語も中盤に差し掛かって、少しずつ、少しずつではあるけれど、ただの刀だった鑢七花の意識に変化が生じ始めていると感じる、そんな1冊だった。

薩摩にて、賊刀『鎧』を収集する今作。

相手取る鎧海賊団船長の校倉必が、とがめに惚れたと言ったものだから、七花が無意識に嫉妬するという面白い場面も見られた。

自らを、一本の刀だとしか思ってこなかった七花が、ここに来て、初めて、刀であると同時に人間であるということを明確に意識した。

それで、どんなふうに変わるのかは良く分からないけれど、でも、何かは変わるんだろうなぁと、そんな予感がする一場面だった。

それから、七花が姉の七実の言いつけを忠実に守って心に秘めてきた隠し事。今作の最後の最後で、とがめに対して明かしてしまった。
言っていいことと悪いことが世の中にはあるけれど、墓場まで持っていかなければいけないだろう2つの隠し事を、これまでひたすらに秘めてきたにも関わらず、いとも簡単に白状してしまったことが驚きだった。

アニメを見てからだいぶ日が経ってる。
色々と忘れてる展開もあるんだなぁと、読んでて思った。

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