2015年6月30日火曜日

(再読)『赤緑黒白』森博嗣

Vシリーズ10作目、最終作だ。

Gシリーズにも絡んでくるMNIっていう謎の組織も登場するし、真賀田四季もチラッと登場する。
この作品とS&Mシリーズを通して読むと、VシリーズがS&Mシリーズよりも数十年過去の話だっていうことが分かる。
真賀田博士がまだ5,6歳だ。でも、十分天才として世間ではもてはやされてるんだから凄い。

犯人は、今までで一番厄介な相手だけど、一番、瀬在丸紅子に似てる。
外からは全然分からないけど、本人が言うには似てるらしい。

殺したいから殺すっていうのは、分からなくはない。

(再読)『朽ちる散る落ちる』森博嗣

Vシリーズ9作目。

『六人の超音波科学者』の舞台になった円形の建物。あの建物の秘密が暴かれる。
そして、練無が女装をするきっかけになった纐纈さんが絡んでくる。

地下に、高エネルギー加速器のように、建物の中心を軸として回転する空間がある。
建物そのものが円形だっていうのがポイントだったらしい。

遠心力で飛ばされることを、落下する、という風に表現してたのが言い得て妙だった。確かに、遠心力掛かってたら、その力による変化は、中にいる人によっては落下と同じだろうなぁ。

最後のオチが良かった。

(再読)『捩れ屋敷の利鈍』森博嗣

Vシリーズ8作目。

今回の作品にはS&Mシリーズの西之園萌絵が出てくる。
出てくるんだけど・・・なんかおかしい。ちょっとした違和感を感じる。

その理由は、森博嗣の作品を読み続けていくと、四季シリーズあたりで明らかになるんだけど、またそれは別のお話。

六人の超音波科学者で登場する建物も面倒くさいなぁと思ったけど、この作品の建物は、それ以上に面倒くさい。

メビウスの帯のように、捻れてる。
馬鹿げた建物だけど、建築基準法違反だから、家じゃなくて作品なんだっていう家主の理屈がまた滑稽だ。
こういう建物、実際にあったら面白いだろうなぁ。

(再読)『六人の超音波科学者』森博嗣

森博嗣のVシリーズ7作目。

変わった、凝った作りの建物が舞台だ。

陸の孤島・・・に近いくらいアクセス困難な舞台で、殺人事件が発生。
瀬在丸紅子が解き明かす謎が衝撃的だった。
そして、その動機も。
正当な殺人は許せても、不本意な行為については、たとえ結果として死に至ることがなかったとしても、許されて良いことではない、という紅子の理屈。なんとなくだけど、納得できた。

保呂草が、七夏の前で鍵開けのスキルを披露したのが面白かった。自分の身を守るよりも人助けを優先したっていうことなんだろうなぁ。

『三国志 7』宮城谷昌光

周瑜が死んだ。
案外あっけなかった。割と重要人物なのに、死んだっていう描写はたった数行で終わってた。
このあたりは、宮城谷昌光の作品っぽい。
淡々としてる。

劉備が、だいぶ非情な存在として描かれてるのが面白い。
三国志をきちんと読むのは、すべての作家を通して初めてだけど、今まで見聞きしてきた情報だと、もう少ししっかりしてる印象を持ってた。
逃げ足が早くて、息子がさらわれても気にしないだろう、という描写があったりして、なるほどなぁと。

8巻では、劉備、関羽、曹操が死ぬようだ。
早速読んでみよう。