2014年11月26日水曜日

『読書の腕前』岡崎武志

参考に・・・なったのかなぁ。

「ベストセラーは十年後、二十年後に読んだほうがおもしろい」とか、古本屋との上手な付き合い方など、なるほどなぁと思うような記述はたくさんあった。でも、なんか読後感モヤモヤする。かゆいところに手が届かないというかなんというか。上手く説明できないけれど。

そういう読後感のなかで、個人的に一番気に入ったのは、本の中で引用されている中島らもの教養についての考え。

「『教養』とはつまるところ『自分ひとりでも時間をつぶせる』ということだ。それは一朝一夕にできることではない。働き蜂たちの最後の闘いは、膨大な時間との孤独な闘いである」

昔は、読書してればそれだけで幸せで、自分一人でいたところで寂しさを感じることなんてなかった。
でも、最近は、近くに誰かいて欲しいって感じるようになってしまって、それは、読書熱が冷めてきたっていうことなのかなぁと感じてしまった記述。

もっともっと、読書にのめり込めるような生活を送りたいなぁと感じた。
自分の目標である小説家に、少しでも近づけるように頑張りたい。

最後に、井上ひさしが述べたという指摘を紹介。

「行動成長になると『読者』が『消費者』になり、本を『消耗品』とかんがえる風潮が生まれる」そうだ。

2014年11月24日月曜日

『陰陽師 螢火ノ巻』夢枕獏

『陰陽師』シリーズの最新作。

特別面白いわけではないけれど、かといってつまらないわけでもない。水戸黄門と同じく、安心して付き合っていける作品だ。

今巻は、蘆屋道満の出番が割とあった。2,3作品。
あとがきに作者も書いているように、京の都以外で作品を進行させようとすれば、晴明と博雅を都から移動させる口実を与えなければならないが、道満であれば、どこに出現しても問題ないという理由からだそうだ。

夢枕獏の作品は、正直なところ陰陽師以外は読む気がしない。漫画もそうだ。
でも、陰陽師だけは、誰にでも無難に進めることの出来る作品なんじゃないかな、と思う。

『刀語 12』西尾維新

『刀語』シリーズ最終12巻。

歴史っていうのは、誰かに操作されているものだっていうのが、物語全体を通しての西尾維新の主張なのかなぁと思ったりする。

そういう中で、それぞれが、それぞれの立場で、それぞれの主義主張のもとに生きていくっていう抗いがたい事実を、12冊の中で描こうとしたのが、この物語なんだと思う。

最終巻の、最後のページに記された文章は、やっぱりここまで読み進めてきたら、胸に刺さるような言葉だったり。

「復讐を果たせなかった者。
 目的を果たせなかった者。
 志半ばで倒れた者、思いを遂げられなかった者。
 負けた者。挫けた者。朽ちた者。
 一生懸命頑張って、他のあらゆるすべてを犠牲にしてまで踏ん張って、それでも行為がまったく結果に繋がらず、努力はまったく実を結ばず、理不尽に、あるいは不合理に、ただただ無残に、ただただ無様に、どうしようもなく後悔しながら死んでいった者達の――夢と希望に満ちあふれた未来を予感させる前向きな物語は、ここで静かに幕を下ろす。」

うまく言葉には出来ないけれど、ただの娯楽小説ではあるけれど、でも、シリーズ通して、作者なりに一生懸命生きろっていう叱咤激励をしてくれてるのかなぁと、私自身は受け取った。

『刀語 11』西尾維新

『刀語』も残すところ、今作を含めて2冊。
この連休中には読み終わるんじゃないかと思う。

今巻では、毒刀・鍍の毒に当てられ乱心した真庭忍軍十二頭領の1人、真庭鳳凰を相手に、毒刀・鍍を蒐集した。

腹心とは一緒に手をつないで歩くものだという奇策士とがめの発言には笑ってしまったけれど、それだけ、この11冊の間に仲が深まったんだなぁと思う。

西尾維新が歴史に対してどういう考えを持っているのか、っていうのが、このシリーズを通して見えてくるんじゃないかな、と個人的には思っている。

あと1冊、これから取り掛かろう。

2014年11月18日火曜日

『だから日本はズレている』古市憲寿

とりあえず、面白く読めた。
それほど言葉を選んでるとは言えない、はっきりした物言いに好感が持てる。もちろん、それが正しいかどうかは別問題だけど。

古市さんの存在は、「朝まで生テレビ」とか「とくダネ!」とかで知ってたけど、著書を読むのは初めてだった。

新しい意見として受け入れることが出来た部分が多々あった。

そういう中で、全面的に同意できた主張はひとつだけ、「やっぱり「学歴」は大切だ」という主張だけだ。
それ以外の部分は、なるほどなぁと思う反面、反論したくなるポイントが少なからずあった。

2014年11月17日月曜日

『刀語 10』西尾維新

シリーズ10作目。

『刀語』もいよいよ終盤。
今週末までには読めるんじゃないかと思う。

仙人が現れた。
もはや、たいがい何でもありだ。

そんな中、否定姫の正体が、四季崎記紀の末裔であること、そして、虚刀流が完了形変体刀であるという事実が明るみに出た。
どっちも、予め決まっていた設定なのか、途中出場した設定なのか、怪しい・・・

あと2話。読み終わった後、何の感慨もなくて空虚な感じがする西尾維新作品だけど、最後まで読もうと思う。

『刀語 9』西尾維新

シリーズ9作目。

王刀・鋸を、心王一鞘流当主である汽口慚愧から回収する。

印象的だった言葉がある。

「人間、考えることはできても。
考えないことは、実は意外と難しい。」

考えが浅かったり、考え方が間違ってたりすることは多々あるけど、確かに、その通りなのかもなぁと納得した。

『刀語 8』西尾維新

『刀語』の8作目。

微刀・釵を収集した。

否定姫がジックリと描かれたのは、今作が初だったように思う。
謎に包まれた否定姫もそうだけど、奇策士と七花の行く末も気になる。

『三国志 4』宮城谷昌光

第四巻。
一気に最終巻である十二巻まで読んでしまおうと考えてたんだけど、挫折しそう・・・

今巻の大雑把なあらすじ。

曹操は董卓に敗けて、曹操の父は陶謙に殺された。
董卓は殺され、孫堅も死ぬ。
そんな歴史の一場面。

とりあえず、この後の第五巻までは一旦読もうと思ってるけど、その後は少し休憩。

もう一つ重い作品、『レ・ミゼラブル』も読み終わってないからなぁ。

2014年11月3日月曜日

『遺譜 浅見光彦最後の事件』内田康夫


永遠の33歳かと思われていた浅見光彦が、いよいよ34歳になった。

34歳っていう年齢が、作品を通して重要な要素になっている。34歳という年齢で、何かを実行した人々が沢山出てくる。

そんな中、今作で浅見光彦は決断を迫られる。
日本とドイツに関わる遺産を守っていく役割を担うことを期待される。
最終的にどうしたのかっていう部分については、はっきりとした答えを提示せずに終了するけれど、浅見のことだから、そんな役目は引き受けないんだろうなぁと思う。

いよいよ結婚っていう前フリを信じて読んでたら、結婚しなかった。
いよいよ結婚っていう状態で終わりだった。
でも、一区切りの作品を読めたっていうのは、浅見ファンとしては良かったと思う。私自身が小説家になりたいって思ったきっかけのひとつでもある浅見光彦シリーズ、読んでない作品が結構あるから、ひとつひとつ読破していこう。

『暗殺教室 11』松井優征

『暗殺教室』の11巻。
小説、新書、漫画含めて、今一番はまってる作品と言ってもいいかもしれない。

非常に面白いと思う。

今巻には、「正義」と書いて「ジャスティス」と読ませるキラキラネームの話や、体育祭の話などが収録されてる。

でも、私が一番興味を引いたのは、生徒が間違いを犯したことから進展する一連のストーリー。
学童保育所を経営するおじいさんに怪我をさせてしまったことで、特別授業と称し、その慰謝料分を、自らの労働により支払おうとする生徒たち。
老朽化した建物を直したり、子どもたちに勉強を教えたり。
終わった後、E組の教室で、烏丸が生徒たちに尋ねた一言が印象的だった。

「今回の事は暗殺にも勉強にも大きなロスになったと思うが そこから何か学べたか?」

体験を通して、何を感じたか、何を考えたかを、しっかりと汲み取ることが出来る大人って良いなぁと思う。
会社に入ってから、やたらと聞かれるようになったけど、少なくとも自分がもっと幼かった頃、中学生や高校生の頃に、こういうことを聞いてくれる大人は、周りにいなかったかもしれない。


「自分の一番得意な一撃を 相手の体勢が整う前に叩きこむ」

こういう生き方をしたい。

『三国志 3』宮城谷昌光

第三巻。
曹操が中心人物になりつつある。

霊帝が崩御した後、董卓は独裁者になった。
董卓に戦いを挑んだ曹操は敗けて、孫堅は勝利を収めた。

劉備は黄巾軍に勝利するけれど、宮城谷三国志の中で中心的人物になるためには、まだまだ時間が掛かりそうな予感がする。