2014年8月28日木曜日

『ビジネスマン、生涯の過し方』キングスレイ・ウォード

睡魔に襲われながら読み終えた。朝、起きれるかどうか心配だ。

会社の、前専務取締役から譲り受けた数冊のうちの1冊。数冊本をもらって、それで何を伝えようとしたかったのかは、正直なところいまいち分からない。
ただ、この本を読んで思ったことは、しっかりと自分で稼ごうっていうこと。会社に依存するんじゃなくて、会社を上手く使っていかなきゃいけないっていうことを感じた。

就活の頃、数学を究めるっていう道を見失って、半ば投げやりになってた中で、とりあえず面白そうな企業を適当に受けて、適当でも採用してくれた企業に入った。
でも、そういう受け身な人生だとダメだっていうことが、この本を読んで強く感じた。
同じことは、会社の先輩社員の人の話を聞いてても思うことが多くて、たぶん、今、就職活動をすると、もう少し違う結果になるんじゃないかなぁと思う。

本を読んでたら、何箇所か、線が引かれてるポイントがあって、あの人は、こういう部分に注目してたんだなぁとしみじみ。

誰かの期待に応えるっていうのは、生きていく上で大切な要素のひとつだと思う。
だから、今よりも、もっともっと努力を重ねていきたいなぁと感じる。

2014年8月25日月曜日

『一千兆円の身代金』八木圭一

第12回『このミステリーがすごい!』大賞で、大賞を受賞した作品。

社会派すぎる社会派ミステリー。
元副総理の孫を人質に取って、日本が抱える負債、1,085兆円を身代金として要求するという前代未聞の誘拐事件が発生。

正義感を振りかざして誘拐事件を起こす犯人だけど、共感する人たちもたくさんいて、社会問題にも発展していく。


ストーリーとしては面白いと思うんだけど、やはり、社会派色が強いのに、社会的描写が弱い印象を受けた。どこにでも書かれてるような記述が多くて、犯人の動機として、少し弱いんじゃないか、という気がしなくもない。
政府に不満を持ってる人々は、実社会にもたくさんいるけど、それで誘拐事件が発生したことなんて、少なくとも今まではなかったからなぁ。
もちろん、過激な運動を起こした人たちはたくさんいたけど。

今までにない切り口でのミステリーだったから、そういう意味で面白く読むことが出来た。

2014年8月17日日曜日

『襲名犯』竹吉優輔

第59回江戸川乱歩賞受賞作、『襲名犯』。

あらすじとしては、ざっとこんな感じ。

かつて、ブージャムと呼ばれ、崇められた連続殺人犯がいた。彼は逮捕され、最近、死刑が執行されたのだが、近ごろ、新たな連続殺人が発生した。犯人は、現場にブージャムの名を残していることから、ブージャムを信奉していた人間だと判断されている。

要は、かつての連続殺人犯、ブージャムの名を襲名した人間による殺人事件がテーマだ。

劇場型犯罪と言ってもいいような感じだけど、現実世界でもたまーにこの手の犯罪はある気がする。大きなものから小さなものまで規模は様々だけど。

この作品の面白いところは、かつての連続殺人で被害にあった少年の弟が、今回の連続殺人の渦中にいるっていうこと。その事実があることで、物語の深みが増しているように思う。

なんだかんだでエンターテインメントだった。そこまで社会派な感じでも特にない。

新人賞受賞作を読んで毎回思うのは、実際に応募した時の作品から、刊行されるまでの間に、どのくらいの手直しが入っているんだろうっていうこと。たまに、選考委員のコメントで指摘されてる欠点が、まったく見当たらない場合とかがあって、不思議に思う。