2014年8月25日月曜日

『一千兆円の身代金』八木圭一

第12回『このミステリーがすごい!』大賞で、大賞を受賞した作品。

社会派すぎる社会派ミステリー。
元副総理の孫を人質に取って、日本が抱える負債、1,085兆円を身代金として要求するという前代未聞の誘拐事件が発生。

正義感を振りかざして誘拐事件を起こす犯人だけど、共感する人たちもたくさんいて、社会問題にも発展していく。


ストーリーとしては面白いと思うんだけど、やはり、社会派色が強いのに、社会的描写が弱い印象を受けた。どこにでも書かれてるような記述が多くて、犯人の動機として、少し弱いんじゃないか、という気がしなくもない。
政府に不満を持ってる人々は、実社会にもたくさんいるけど、それで誘拐事件が発生したことなんて、少なくとも今まではなかったからなぁ。
もちろん、過激な運動を起こした人たちはたくさんいたけど。

今までにない切り口でのミステリーだったから、そういう意味で面白く読むことが出来た。

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