第59回江戸川乱歩賞受賞作、『襲名犯』。
あらすじとしては、ざっとこんな感じ。
かつて、ブージャムと呼ばれ、崇められた連続殺人犯がいた。彼は逮捕され、最近、死刑が執行されたのだが、近ごろ、新たな連続殺人が発生した。犯人は、現場にブージャムの名を残していることから、ブージャムを信奉していた人間だと判断されている。
要は、かつての連続殺人犯、ブージャムの名を襲名した人間による殺人事件がテーマだ。
劇場型犯罪と言ってもいいような感じだけど、現実世界でもたまーにこの手の犯罪はある気がする。大きなものから小さなものまで規模は様々だけど。
この作品の面白いところは、かつての連続殺人で被害にあった少年の弟が、今回の連続殺人の渦中にいるっていうこと。その事実があることで、物語の深みが増しているように思う。
なんだかんだでエンターテインメントだった。そこまで社会派な感じでも特にない。
新人賞受賞作を読んで毎回思うのは、実際に応募した時の作品から、刊行されるまでの間に、どのくらいの手直しが入っているんだろうっていうこと。たまに、選考委員のコメントで指摘されてる欠点が、まったく見当たらない場合とかがあって、不思議に思う。
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