2012年8月8日水曜日

『完盗オンサイト』 玖村まゆみ

2011年度江戸川乱歩賞受賞作、『完盗オンサイト』
この年は『よろずのことに気をつけよ』との同時受賞だった。

軽くて読みやすい。軽さに関しては、東野圭吾と同等くらいだろうか。
発想は面白いとおもう。皇居に侵入して盆栽を盗み出すというクライムノベル。乱歩賞作品にしては異質だなぁと感じた。乱歩賞は、過去の作品は、殺人犯人を解き明かすっていう推理物だったから、そういう意味では真新しい小説ではあった。
ただ、なんだかなぁ・・・
文章も読みにくくはなかったんだけど、物語全体にある種の適当さみたいなものを感じて嫌だった。ご都合主義ではないんだけど、絵空事が並び過ぎてる。内田康夫は選評に「マンガの原作程度にしか評価できない」って書いていた。まぁ、そうなのかもしれないなぁ。だったら、ぜひとも漫画にしてほしいものだ。

それはそうと、内田康夫は、漫画と小説に順序関係を入れてるのだろうか。「マンガの原作としてしか評価できない」ならまだ良かったんだけどなぁ。

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