2013年9月22日日曜日

『解錠師』スティーヴ・ハミルトン

錠開けを生業とする喋らない男が、その半生を綴ったっていうスタイルの、1人称で書かれた作品。

主人公の男は、少年のころ、あることがきっかけで、喋れなくなった。何が起こったかは、小説の公判でようやく明かされる。
その主人公は、高校生の頃に鍵開けの技術を習得して、いけ好かない奴の家に、仲間と共に忍び込んだところ、見つかって捕まった。
その後、鍵開けの技術を見込まれて、犯罪者としての腕を磨いて、初恋の相手、アメリアのため、犯罪者として生きていくことになった。

喋らない主人公だけど、1人称で書かれてるから、常にどういうことを考えてるかは良く分かる。
だから、苦痛を感じることなく楽しく読めた。
これが、3人称の視点で描かれてたら、たぶん要領を得なかったと思う。

今後、会えるかどうかすら分からない誰かのためを思って生きるってなかなか出来ることじゃないと思う。ましてや、そのために犯罪を犯すとか。
そのくらいの決意が出来る相手に、いつか出会えたりするのかなぁ。

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