2014年10月10日金曜日

『ソロモンの偽証 第Ⅰ部・第Ⅱ部・第Ⅲ部』宮部みゆき


『ソロモンの偽証』三部作.面白くて一気に読んだ.

第Ⅰ部は,事件が起こり告発状が送られて,マスコミが騒ぎ立て,その結果新たな死者を生み出すことになってしまった事件の全体像が描かれてる.藤野涼子が学校内裁判をしようと決意するところで終わっている.それぞれの出来事を,それぞれがどういう風に捉えたのかがしっかりと描かれてて,前向きな藤野が微笑ましかった。


第二部は,学校内裁判を開こうと決意し,その開催までの各自の奮闘がメイン.途中である程度の結末は分かったけれど,それでも目が話せなかったのは,彼が,どういう気持ちでいるのかが気になったから.すべてを理解した上で,何を求めようとしているのかが分からなかったから.

第Ⅲ部.学校内裁判での一部始終が描かれてる.


作品全体を通して,アマゾンの評価は様々だったけど,私自身は満点を付けたい.
自分の中学生時代を思い返してみて,今までの自分の人生を振り返って,神原弁護人の気持ちが痛いほど良く分かる.だからこそ,自分の未来について今一度考えてみようと思ったりもした.

宮部みゆきがこの作品で描いたのは,友達を死なせてしまった少年の苦悩だ.
そこから伝わってくるメッセージは,月並みだけど,友達の大切さと,赦し,贖罪かなぁ.

存在自体は知ってたけど,すぐに読もうとは思わなかったんだけど,映画化されることを知って,読んでみようと思った.
きっかけとしてはその程度なんだけど,このタイミングで読めてよかったと思う.

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