2013年12月10日火曜日

『五匹の子豚』アガサ・クリスティー

過去の事件を関係者の証言を基に解き明かす作品.

故意に嘘をついている人物はほとんどいないにも関わらず,見方によってまったく違ってくるっていうところが肝になっている.

誰が語る話なのか,っていうことを,普段から注意すべきだという勉強になった.

やっぱりクリスティーはすごい.

2013年12月4日水曜日

『生存者ゼロ』安生正

第11回の『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
思えば、第1回、浅倉卓弥が『四日間の奇蹟』で大賞を受賞した頃から毎月この賞の受賞作は読んでて、もう11年目なんだなぁとしみじみ。
その間読んだ作品は多いけど、『四日間の奇蹟』や『チーム・バチスタの栄光』、『さよならドビュッシー』など、受賞作品には印象に残ってる本も結構ある。
このミス大賞の作品は外れがない。文学賞の受賞作品は基本的に加筆修正されて発売されるから、面白くて当たり前だっていうのもあるとは思うけど。

この作品は、北海道が正体不明の感染症に汚染されて、次々と人が死んでいく中、原因究明するっていう話だけど、感染症の正体に驚いた。
ありがちな話だけど、キーになる部分はどの作品とも被ってないんじゃないのかなぁと思う。

新人が書いた作品を読むと、小説家を目指してる自分自身、頑張ろうと思える。

2013年11月13日水曜日

『ガンコロリン』海堂尊

海堂尊の新作、『ガンコロリン』。
たぶん初めての短編集なんじゃないかと思う。
いつも通り、突拍子もないストーリーの中で、リアルな問題提起をしてる。

個人的に一番考えさせられたのが、完全な健康体を作り出す国家プロジェクトに選ばれた男を描いた『健康増進モデル事業』という作品。
男1人を健康にするために、健康に悪いということで、小言を言う上司を国家権力で首にして、その男はどんどん昇進。でも、そんな無茶がいつまでも続くわけもなく、最終的に会社を辞めることになり、会社も潰れたという結末。
ひと1人を健康にするためだけなのに、そこまでのことをしなきゃいけないらしい。
社会と会社のあり方について、色々と思いを巡らす物語だった。

海堂尊の作品は、すべてがリンクしてて、他の作品の登場人物が出てきてたりする。今作でも、白鳥がチラッと出てきてたりして、懐かしかった。
最終的に海堂尊がどういう世界を描こうとしてるのかは謎だけど、1作1作、楽しみにしようと思う。

2013年9月22日日曜日

『白昼の悪魔』アガサ・クリスティー

だいぶ前に読んだ小説だけど、感想書かずに放置してたから書いてみる。

まぁ、このブログ、感想っていうほど大したこと書いてないけど。

エルキュール・ポアロが登場する長編の1作。
地中海の避暑地、スマグラーズ島で、滞在中の美しき元女優が殺害された。
犯人が滞在客の中にいるのは間違いないんだけど、関係者にはアリバイがあって・・・
そんな中、偶然同じ島に滞在していたエルキュール・ポアロが進み出て、華麗に事件を解決する。

俺の将来の夢は、今も昔も変わらず小説家だけど、一番書きたいのはミステリー小説だ。
でも、何度か挑戦はしてるけど、いまだに満足出来るミステリー小説が書けたことはない。
クリスティーの腕を見習いたいなぁと思う。

ポアロのすごさは、その傲慢さというか、自信にあると思う。
ポアロくらい自信を持って物事に取り組めば、どんなことでも達成できそうな気がしてならない。

『解錠師』スティーヴ・ハミルトン

錠開けを生業とする喋らない男が、その半生を綴ったっていうスタイルの、1人称で書かれた作品。

主人公の男は、少年のころ、あることがきっかけで、喋れなくなった。何が起こったかは、小説の公判でようやく明かされる。
その主人公は、高校生の頃に鍵開けの技術を習得して、いけ好かない奴の家に、仲間と共に忍び込んだところ、見つかって捕まった。
その後、鍵開けの技術を見込まれて、犯罪者としての腕を磨いて、初恋の相手、アメリアのため、犯罪者として生きていくことになった。

喋らない主人公だけど、1人称で書かれてるから、常にどういうことを考えてるかは良く分かる。
だから、苦痛を感じることなく楽しく読めた。
これが、3人称の視点で描かれてたら、たぶん要領を得なかったと思う。

今後、会えるかどうかすら分からない誰かのためを思って生きるってなかなか出来ることじゃないと思う。ましてや、そのために犯罪を犯すとか。
そのくらいの決意が出来る相手に、いつか出会えたりするのかなぁ。

2013年9月12日木曜日

『家族ゲーム』本間洋平

ドラマが好みだったから読んでみたんだけど、何だろう・・・分かるような分からないような結末だった。
エンタメ系ではなく、純文学に近いような、そんな感じ。

親に優等生であることを強いられている兄、慎一の一人称の視点で終始話は進んでいく。
ダメな弟、茂之の成績を上げるべく呼ばれた家庭教師、吉本。彼のお陰で無事に高校に合格したのだが、家庭教師がいなくなったあと、また弟は落ちこぼれになっていった。
最終的に、まったく救いがないように感じられる話だった。

結局のところ、外部の力を借りて、一時的には変化できたとしても、家庭そのものに変化が訪れなければ、最終的には元に戻ってしまうのだと、そういうことが描かれている小説なんだと思う。

2013年9月5日木曜日

『万能鑑定士Qの推理劇Ⅳ』松岡圭祐

莉子と小笠原が下の名前で呼び合う仲になった。
っていうことが一番印象的だった。

俺は女性との出会いって実は大抵ネットだっていう根暗な人間だから、割と最初から下の名前で呼んでたりするけど、やっぱりリアルな出会いだと、最初は苗字で呼ぶ感じだし、名前で呼ぶって一大決心だよなぁって思ったりする。

完結編みたいな雰囲気が漂う作品だったけど、果たして続編があるのだろうか。
結構好きな作品だから、もう少し色々読みたいなぁと思う。

これだとどんな話か全然分からないなぁ・・・。
簡単に言うと、万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ、Ⅱあたりで登場した力士シールが莉子が鑑定業を営む店舗の壁一面に貼られる悪戯が起こったことで、莉子が調査に乗り出すというお話。
最終的には莉子の故郷である波照間島で決着が着く。

それほど小説として深いっていうわけではないけど、面白いからお勧めです。