2014年3月14日金曜日

『死ねばいいのに』京極夏彦

タイトルがずっと気になってたんだけど,なかなか読む暇がなくて,今週初めにKindleでようやく読み始めた.

で,面白かったから一気に読んじゃった.

一話一話,心が穏やかになる小説だった.

この小説の内容は,主人公の男が発する言葉に集約されてる気がする.

「厭なら辞めりゃいいじゃん。辞めたくねーなら変えりゃいいじゃん。変わらねーなら妥協しろよ。妥協したくねーなら戦えよ。なんだって出来るじゃん。何もしたくねーんなら引き籠もってたっていいじゃん」

「本気でどうにも出来なくて、それでも我慢も出来ねーってならさ、本気死ぬしかねーって話じゃんか。死にたくねーなら我慢しろよ。どっちかだろうよ」

アサミっていう女が死んだことで,その女の知り合いだっていう男が6人の人物に接触してアサミについて尋ねる,という話.
その場面を,尋ねられる側から描写してるんだけど,みんなアサミのことを訊かれてるのに自分のことしか話さない.挙句の果てに,どうしようもないんだ,っていう話をすると,男から言われるわけだ.
どうにも出来ないなら

死ねばいいのに

って.
どんなに苦しくても希望はあるっていうことを,全編通して描いてある.

娯楽小説だけど,心に残るものは結構ある.読んで良かった.

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