『刀語』シリーズ最終12巻。
歴史っていうのは、誰かに操作されているものだっていうのが、物語全体を通しての西尾維新の主張なのかなぁと思ったりする。
そういう中で、それぞれが、それぞれの立場で、それぞれの主義主張のもとに生きていくっていう抗いがたい事実を、12冊の中で描こうとしたのが、この物語なんだと思う。
最終巻の、最後のページに記された文章は、やっぱりここまで読み進めてきたら、胸に刺さるような言葉だったり。
「復讐を果たせなかった者。
目的を果たせなかった者。
志半ばで倒れた者、思いを遂げられなかった者。
負けた者。挫けた者。朽ちた者。
一生懸命頑張って、他のあらゆるすべてを犠牲にしてまで踏ん張って、それでも行為がまったく結果に繋がらず、努力はまったく実を結ばず、理不尽に、あるいは不合理に、ただただ無残に、ただただ無様に、どうしようもなく後悔しながら死んでいった者達の――夢と希望に満ちあふれた未来を予感させる前向きな物語は、ここで静かに幕を下ろす。」
うまく言葉には出来ないけれど、ただの娯楽小説ではあるけれど、でも、シリーズ通して、作者なりに一生懸命生きろっていう叱咤激励をしてくれてるのかなぁと、私自身は受け取った。
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