50巻続いた『Q.E.D.』。
掲載雑誌を変えて『Q.E.D. iff』として再スタートするらしく、『Q.E.D.』としての発売は、今巻が最後だ。
内容は、『観測』、『脱出』という2作品で、どちらも描き下ろし作品とのこと。
『観測』は、マサチューセッツ工科大学時代に知り合った天才美少女サリーが巻き込まれたトラブルに燈馬想が手を貸すという話。
「あなたは立派な科学者にも政治家にも大統領にもなれる素質があるのよ」というサリーの母親。
そんな母親が、
「私のわからないことをやっていても ちっとも偉くないのよ」
と断言した。
この発言がきっかけとなって、サリーは母親と決別する。
自分がやりたいこと、できることを追求している姿が美しいなぁと思った。
たぶん、サリーは燈馬のことが好きだったんだろうなぁ。
『脱出』は、かつて、ある少年が事件を目撃したという話が描かれた後、脱出ゲームを開催してほしいという謎の手紙がお金と共に水原加奈のもとに舞い込むところからスタートする。
少年が成長して何に気付いたのか、それがキーになっているわけだけれど、話作りが面白いなぁと思った。
実現可能なトリックかどうかは正直なところ疑問ではあるけれど、そういう瑕疵を問題にしない面白さがあると思う。
加藤元浩の作品は、トリックというよりも、話作りに重点が置かれているミステリー漫画だと感じる。
今後の作品も楽しみにしたい。
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