
そこそこの長編だったけど、全然長さが気にならないくらい面白かった。
とは残念ながら言えず、信之輔のせいで、途中、非常にイライラした。
帯に、「これは、恋愛小説です」と書かれていて、どんな感じの内容なのか、非常に楽しみだったんだけど、確かに、恋愛がキーワードになってた。
おでこの生みの親や、夜鷹や、生薬屋の娘に、同心・間島信之輔。たくさんの人々の恋愛話を聞かされて、非常に疲れた。
でも、そんな中でも弓之助、やっぱり揺らぐことなく、バシッと謎解きを実行。
『ぼんくら』、『日暮らし』ときて3作めのこのシリーズ。もはや弓之助は名探偵だ。
頭が切れる少年とかいうレベルを超えて、完全に、謎解きを期待される役回りになってる。
この年で、この役回りは辛いだろうなぁと思いつつ、やっぱり読者の立場で、弓之助の活躍を期待してたりもする。
弓之助は言った。
「世の中に起こるすべての出来事が、仮に因果の糸――因果律で結びついているとするならば、物事の見え方が変わってくるということでございます」
「本音なんて、みんな幻でございますよ」
因果律の話はなんとなく理解は出来たけど、本音は幻だとか言われると、なんだかなぁ、夢も希望もない。
間島信之輔の縁戚、本宮源右衛門の発言も紹介。
「何をどうしたらいいかわからぬときは、学問するのが一番よろしい」
悩める青少年に伝えたいメッセージだ。
そして、私自身にも身に覚えがあるメッセージだった。
平四郎は、弓之助を評して
「講釈師、見てきたような嘘をつき」
と言っているが、私も、そのくらいリアリティのある話作りが出来れば、自分の小説家という目標も、近い将来実現できるんだろうなぁと思う。
ひとまず、ぼんくらシリーズは全て読み終わったということで、続編の発売を期待しよう。
↓↓購入はこちら
おまえさん 上
おまえさん 下
0 件のコメント:
コメントを投稿