2014年12月6日土曜日

『三国志 5』宮城谷昌光

どんどん歴史が大きく動いていく。
呂布は亡くなり、公孫瓚や袁術も死んだ、袁紹も官渡の戦いの後、結核で死んだことが描かれてる。
曹操は、袁紹の死後、その息子である袁尚を討った後、袁紹の墓前で泣いたという。袁紹の別の息子、袁煕の妻であった人物は、のちの明帝を生むという記述で5巻は終わってる。

天下を取ろうという者もいれば、それをサポートする立ち回りを演じる者もいる。どういう視線で世界を見るかによって、動き方は全然違うっていうことが良く分かる1冊だった。

そんな中、後に歴史に大きく名を残す劉備は、ひたすら逃げ回ってる。勝てる勝負はするけれど、負けそうな勝負は側近すら残して逃げる。
関羽は一度、逃げた劉備とはぐれて曹操の配下になったけれど、敵陣の中にいても、劉備への忠心を忘れなかった。こういう動きは、純粋に尊敬する。

孫策の、死んだ振りをして相手を油断させる方法とか、曹操が、戦場に書物を携えていくという話など、面白い話がたくさんあった。

純粋な歴史小説というわけではなく、きちんと時代考証をしながら、実際はどうだったかを確認しながら話が進んでいくから、まどろっこしい反面、面白い部分もある。

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